The Crown

The Crown S3-#5 「ウェールズ公」

 ケンブリッジに在学中のチャールズ皇太子のウェールズ大公叙任式が決定する。
 ウェールズ内でイギリス政府に対する不満が高まっていることを憂慮したウィルソンは、叙任式の際チャールズにウェールズ語でスピーチをしてもらってはどうかとエリザベスに提案。エリザベスがこれを承諾したことにより、チャールズは1学期間ウェールズ大学でウェールズ語を学ぶことになる。
 ウェールズに到着したチャールズは人々のヤジで出迎えられ、自分はけして歓迎される存在ではないことを実感する。しかもウェールズ語の講師ミルウォードは国粋主義者でプライド・カムリの副総裁でもあった。ウェールズ語でスピーチすることがウェールズにとって有益だと考えた彼はチャールズを一人の学生として受け入れるが、夕食の席でチャールズのウェールズに対する無知ぶりを知ることになる。
 歴代の大公と同じく名ばかりでウェールズになど興味もない、せめて興味を持つふりくらいしろとミルウォードに厳しく指摘されたチャールズは、翌日さっそく図書館に出向きウェールズの歴史について調べはじめる。

 チャールズに友人ができないことを気の毒に思ったミルウォードは、彼を自宅に招いて夕食を共にすることに。ミルウォードの妻や息子と会話を交わしたチャールズは、そこで初めて「普通の家庭」というものを目にした。そしてミルウォードと妻が出会った村がイギリス政府によって貯水池となり、水没して今は存在しないという話を聞く。自分たちの声が聞き入れられずいつも中央政府の言いなりにさせられるウェールズの現実に、自分の意見が尊重されない自身の人生を重ね合わせたチャールズは、専門家が書いた叙任式のスピーチに自分自身の言葉を加える決断をする。

 叙任式の招待状をもらったミルウォードだけど、そこはやはり「ウェールズはウェールズ人のもの」という信条があるから出席は断ります。だけど自分の教え子が立派に晴れ舞台を務める姿は、テレビで見てて誇らしく思ったことでしょう。カーナーヴォン城の周囲に集まったウェールズの人々もチャールズのスピーチに聞き入ります。それはミルウォードがチャールズを政治的信条から敵視せず、かといって特別扱いもせず、互いに「人と人」として交流したことがもたらした結果だと思う。別れの際の「よくやったな」って言葉はチャールズにとって本当に嬉しかっただろうし、いい先生と生徒の姿を見せてもらいました。

 ウェールズ語でのスピーチは、当然のことながら王室の人々は聞いてても理解できない。でも後日その内容を知ったエリザベスは、叙任式の後数日間ウェールズをまわって戻ってきたチャールズに「自分の意見を言うなんて」と厳しく叱責します。
 神に近い存在である王室の人間は自分の意見を持つべきではない、という教えを忠実に守ってきたエリザベスと、誰にも自分の意見を聞き入れてもらえないことを辛く思うチャールズ。問題は、どっちの言い分も正しいってこと^^;
 だからって母親であるエリザベスにさえ労いの言葉ひとつかけてもらえないのは、いくらなんでもかわいそうって思ってしまった。幼い頃から軍隊式の厳しい学校に放り込まれていじめに遭い、ようやくケンブリッジで演劇っていう喜びを見出したのに、今度はいきなりウェールズへ行け。自分の意思は何ひとつ尊重されてこなかった若い頃の彼の人生を思うと、カミラと結婚できてよかったね…と思うのは私だけか?(笑)

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The Crown S3-#5 「クーデター」

 海外の競走馬が今や王室の馬の実力を超えていることに気付いたエリザベスは、休暇を取り旧友のポーチーとともにフランスやアメリカの競走馬育成施設を見学する旅に出る。

 一方、イギリスは1億700万ポンドもの貿易赤字を抱え、ついに労働党支持のデイリー・ミラー紙までもがウィルソン政権を批判する記事を掲載するようになる。内閣はこれ以上の批判を避けるため、ウィルソンの公約である防衛費削減を拒否し続けている国防参謀総長のマウントバッテン卿を解任。そしてついにポンドの切り下げという苦渋の決断をすることになる。
 これに腹を立てたデイリー・ミラーの会長キングは、かつて戦争を戦い抜いてきた有力者との昼食会にマウントバッテン卿を招待し、ウィルソン政権を倒して非常事態政府を発足させて彼をその指導者の座に据る計画を話す。マウントバッテン卿はクーデターに加担する気は無いと一度は話を断るものの、これは民主主義に対する宣戦布告だという皆の説得に、回答を保留することにする。
 その2日後、過去に世界中で起きたクーデターとその成功例や失敗について徹底的に調べ上げた彼は再びキングらと会い、法律や憲法が絶対である現在のイギリスではクーデターを起こしても成功の見込みはないことを説明し、ただし君主であるエリザベスの支持を得れば成功もあり得ると語る。

 エリザベスがそんな話オッケーするわけなかろうに(苦笑)
 マウントバッテン卿ももちろんそれはわかってたと思うよね。だけどずっと誇りを持って努めてきたポストを「あんたはもう時代遅れ」って追い払われ、やること無くなって心にポカーンと穴が開いたところに「あなたが必要なんです」なんて言われたもんだから、おじさんちょっと夢見たくなっちゃったのかな。
 夢といえばエリザベスも、優秀な競走馬を育てるために様々な研究をしている人たちと過ごし、ポーチーと穏やかな時間の中で食事を楽しんでいるうちに、これが自分が本来歩みたかった人生だったことを思い出します。そもそも彼女は生まれた時から女王になると決まってたわけじゃないし、アメリカ女と一緒になるために責任放っぽり出した伯父さんのとばっちり(だよね?)で今の人生が決まっちゃったわけだから、この旅を続けられたらと内心願っても無理はないこと。
 だけど国がとんでもないことになってると知ったらトンボ返りするところは、やはり責務というものをちゃんとわかってらっしゃる。でもディナーのステーキ、一口も食べてなくて勿体ない…と思ってしまうのはやはり私が貧乏症だからですね(笑)

 キングたちがマウントバッテン卿を説得する際、為替操作や防衛費削減や海外の口座凍結やらで「もはや平時とはいえない」と言ってたけど、日本もある意味ここ何年か平時とは言えんわな^^; それでも今回のエピソードでは市民の抗議行動の様子やマスコミによる政権批判がヒートアップしてたけど、それに比べて、何かまずいことがあると芸能人を逮捕したり結婚発表させたりして目を逸らそうとする作戦にまんまと乗ってしまう日本のマスコミの何と情けないことか。

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The Crown S3-#3 「悲劇の波紋」

 ウェールズの炭鉱の村アバーファンで、前日の豪雨により炭鉱のボタ山が崩落する事故が発生。ふもとの小学校や民家がその土砂に巻き込まれ、多くの犠牲者が出た。
 すぐさま現場に駆けつけた首相のウィエルソンはその惨状をエリザベスに報告し、遺族の慰めにアバーファンを訪れるよう伝える。しかし独自に現地を訪れたトニーや追悼会に出席したフィリップと違い、エリザベスは「君主は災害現場には行かない」と頑なに訪問を拒否し続けた。
 崩落したボタ山は規定の6倍の高さにまで造成され、しかも下に湧き水があることもあって、住民からは数年前からその危険性が指摘されていた。今回の事故はその警告を無視し続けた石炭庁に責任があるとして住民たちは政治に怒りの声をぶつける。ボタ山の造成が許可されたのは保守党政権下でのことだったが、大きな政治問題に発展することを避けたい労働党政府は、人々の怒りの矛先を逸らすため「現場を訪れていないのは女王だけ」という新聞記事を出すことを許可する。
 これを聞いたエリザベスはようやく現地の訪問を決定。しかし現場を目にし遺族と面会した彼女は感情を表に出すことなく無表情のままだった。

 訪問後、「やり方が汚い」とウィルソンに怒りをぶつけるエリザベス。でも新聞社の件は一部の閣僚が勝手にやったことだったらしい。
 エリザベスが訪問を拒否し続けたのって、「君主は感情を出すべきではない」っていう言いつけを守り続け、でも現場に行ったらそれが守れなくなるかもっていう不安があるからなんだと思ってた。だから機中で「ここはイングランドではなくウェールズだから、感情を表に出してください」って言われた時に「もっと早く言えよ」って思ったんじゃないかなって思ったんだけど(笑)実際はその反対で、悲しい時も喜びの時も涙を流したことがない自分の無感情さが人々に伝わってしまうことを恐れてたんですね。
 そんな自分は何か変なんじゃないか、というエリザベスにウィルソンは「無感情は君主に必要な天武の才。だが人から好かれるためには演技することも必要だ」とアドバイスします。ウィルソン自身も本来はエリートでインテリで高級志向だけど、労働党の党首として人々から支持を得るためにはそんな自分を隠し、人々の前では皆から望まれる姿を演じてきたわけだ。チャーチルや前の首相たちと違って役立たず、みたいに言われたけど、ウィルソンのこのアドバイスが今後のエリザベスの公務に良い影響となっていくのかもしれません。
 しかし無感情という割には、若い頃フィリップと喧嘩してテニスのラケット投げたりしてたよね(笑)

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The Crown S3-#2 「切り札」

 経済が低迷を続け大きな赤字を抱えているイギリス政府はアメリカに経済援助を要請するが、アメリカのジョンソン大統領はこれを拒否する。ポンドの切り下げだけは何としても避けたいウィルソン首相はエリザベスに外交的な協力を依頼し、王室はジョンソン大統領をバルモラル城での狩りに招待する。しかしケネディ前大統領以上のもてなしが提案されているにも関わらずジョンソンはこれも無視を続けていた。このままでは女王に対する侮辱と取られることを危惧した大統領首席補佐官は、休暇でアメリカを訪問中のマーガレット王女をホワイトハウスの晩餐会に招待するという打開策を打ち出す。経済援助のため藁にもすがりたいウィルソンは、マーガレットに晩餐会への出席を説得するようエリザベスに依頼してくる。
 エリザベスの「命令」でこれを引き受けることになったマーガレット。しかし、イギリス経済の未来がかかっている重要な外交任務だから今回は定石通りに、という指示を無視してまたもや自己流のスタイルを貫く。

 ジョンソン大統領は、王室が「政府の尻拭いをさせられる」ことをちゃんとわかってるんですね(笑) でも彼には尻拭いをしてくれる存在はいなくて、何をやっても「人気者のケネディと比べてジョンソンは…」って思われることにものすごい重圧を感じてる。だからイギリスからの狩りの招待も、遠いし不気味な城に泊まるの嫌だし天気は最悪だし気どった連中の相手しなきゃなんねーし(ようするにめんどくさい)、マスコミは自分が何かヘマやらかすのを待ってるんだろうって被害妄想までしちゃうんだよね^^;

 一方マーガレットは、「ケネディ批判は厳禁」という暗黙のルールを無視して、晩餐会の席で公然とケネディの悪口を口にします。その場にいた一同は当然その言葉に凍りつくわけですが(꒪ꇴ꒪|||)
 でもずっとケネディと比較され続けてうっぷんがたまっていたジョンソンがマーガレットに同調。これをきっかけに「暗黙のルール」はいとも簡単に破られてしまいます(笑)
 生まれた時から常にエリザベスの2番手であるマーガレットと、人気者ケネディの2番手だったジョンソンの間には、共通する思いがあって当然。意気投合した二人は食べて飲んで歌って踊って朝方までどんちゃん騒ぎ。結果、ジョンソンのご機嫌取りに成功してイギリスは経済援助を受けることになったわけだけど、こういうやり方は「政治的外交」としては非常に危ない橋。相手がジョンソンじゃなかったら失敗に終わっていたかもしれません。
 マーガレットの大衆を惹きつけるカリスマ性は抜きん出たものがあって、王室の存続という点で一役買っているのは確かだと思う。でも周囲を盛り上げて引っ張っていくだけではなく、冷静に物事を判断させる落ち着きも「君主」には絶対必要だし、そういった点でマーガレットが「2番手」として生まれたのはやはり神の采配だったのかも。

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The Crown S3-#1 「疑惑」

 楽しみにしていた「ザ・クラウン」の新シーズンが配信開始となりました✨
 さっそく第1話を視聴したのでまずは感想を簡単にまとめておきます。

 1964年。イギリス経済が悪化の一途をたどる中、労働党のウィルソンが首相に就任。しかし彼がソ連のスパイだという噂を耳にしたエリザベスは不安を抱えていた。
 そんな折、イギリスの上層部にKGBのスパイがいるという情報がMI5に入ってくる。そのスパイとはウィルソンではなく、バッキンガム宮殿にいる王室絵画鑑定官のブラントだった。彼の15年間に渡るスパイ活動を見逃していたMI5は、アメリカの信用を失わないためにもこの事実は公にはしなことをエリザベスに伝える。

 今回はスパイ絡みのエピソードということで「Spooks」ファンの私としては期待に胸を膨らませてしまいましたが、そもそもそういうドラマではないので^^; スパイが15年も宮殿に潜り込んでいたというイギリスの不名誉を隠しつつ、その張本人を称えるスピーチをしなければならないエリザベスの「お仕事」についてのエピソードでした。
 ケンブリッジ・スパイ網と聞いて、そういえば共産主義に傾倒するケンブリッジの学生がKGBにリクルートされる「ケンブリッジ・スパイ」ってドラマがあったなぁと思い出した。ルパート・ペンリー=ジョーンズが出てたからSpooksそのまんま感しかなくて、ストーリーは忘れたけど学生たちが裸で川に飛び込んでたシーンは憶えてる(笑)

 さて、予告編では即位25周年を祝うみたいな感じだったので舞台は'70年代かと思いきや、まだ'64年でした^^;
 S2の最終話が'62年だったから、あれから2年しか経ってないことを考えると「人は年を取るもの」とはいえキャストの変化はかなり強引な気もしましたが(笑) まあシーズン途中で役者さんが変わるよりは違和感なくていいのかも。
 違和感といえば、実在の人物に似てるかどうかは置いといて、クレア・フォイ→ヘレナ・ボナム=カーター、ヴァネッサ・カービー→オリヴィア・コールマンの方が、女優さんの顔立ちの共通点という意味では自然な配役な気がする^^;
 それに比べてフィリップ殿下の違和感の無さ(笑)
 久々に登場のチャーチルはもともとおじいちゃんだから何の変化もありません(笑) てか、まだ生きてたんですね!(←失礼)と思っていたら、病床に伏したのちお亡くなりに……。君主になったばかりの自分を支えてくれた存在だから、エリザベスの喪失感はとても深いものだったでしょう。S1の彼の老害っぷりが本当に面白くて、もう見れないのかと思うと視聴者としても残念です。
 個人的に嬉しかったのは何といっても、マーガレットの夫トニー役がベン・ダニエルズさんになったこと! しかも年齢重ねてるはずなのに年取った感がまったく無いのがすごい。首が長いからハイネックのセーターがとてもお似合いで素敵だし、脚が長いから歩いても座っても素敵だし、車を運転する姿もタバコをポイ捨てする姿も素敵。同じポイ捨てでも不良にしか見えない「ルイス警部」のハサウェイとはえらい違いです(←それでも好きなくせに)
 これからまだまだベン様のお姿が拝めるのかと思うとドキドキしちゃいます💓

 余談ですが、新しい切手のお披露目の際に女王のワンコたちがお行儀良く並んで待ってたのが可愛かった💕

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The Crown #8 「誇りと喜び」

 エリザベスとフィリップがオーストラリアへ外遊中、妹のマーガレットが女王の代理で国内の公務を任されることになる。自分の個性を出したいと考えたマーガレットはマーティンが書いた「いかにも女王が言いそうな」スピーチに変更を加えたいと言い出すが、マーティンは女王の代理でスピーチをするのだからこれでいいと言う。ところがいざ本番でマーガレットは彼の原稿を無視、持ち前のユーモアのセンスで来客たちを和ませ、訪問先では離ればなれのピーターに会いたいという気持ちを率直に口に出し、彼女の言動はマスコミの格好のネタとなる。

 

 オーストラリアを訪問中のエリザベスとフィリップは、炎天下の2時間に及ぶパレードに加え、50以上の街を訪問するという過密スケジュールをこなしていた。しかしエリザベスは出発前にチャーチルに釘を刺されたこともあり、素の自分を出すまいとして笑顔を作り続け、ついには顔の筋肉に注射(ボトックスかな?)までしてもらうことに…。
 心身ともに疲弊している二人はついにストレスが爆発し、滞在先で大喧嘩。エリザベスがフィリップにテニスのラケットを投げつけるところをしっかりマスコミに撮られてしまいました(笑) だけどその直後にエリザベスが彼らに対して毅然とした態度を見せたことで、マスコミは撮影したフィルムをエリザベスに渡すことにします。

 

 ジョージ6世の死の悲しみからいまだに立ち直れずにいる王太后は、公務を休んでスコットランドの知人の元でしばらく静養することにする。彼らのすすめもあって、近くにある古い屋敷を買い取って移り住むことを考え始めます。

 

 帰国したエリザベスはマーガレットに、失礼な振舞いをした相手に対して謝罪するよう彼女に伝える。愛する相手と結婚していつも脚光を浴びている姉を羨む妹と、自分の思ったことを口に出し自由に振舞う妹を羨む姉。時代や階級は違っても、同性の兄弟姉妹というのはお互い常にこうした気持ちを持っているものなのでしょう。(私には弟しかいないからわからんが^^;)

 

 このエピソードを見ていて思い出したのが元横綱の朝青龍(笑)
 相撲とは単なるスポーツではなく神に捧げるものだから横綱はそれに相応しい振舞いをしなければならない、これは神に仕え人々を率いるという君主のそれにも通じるものがあるのではないでしょうか。神に近い存在であるためには人間としての本来を自分を見せてはならない。これは伝統を守り受け継いでいくためには絶対に必要なことで、周囲が「自分を出すな」とことあるごとに釘を刺すのも当たり前のことなんだけど、マーガレット王女や朝青龍のように自分らしく振舞い感情を素直に表すところにこそ大衆は魅了されてやまないというのもまた事実なのだ。

 

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The Crown #4 「神の御業」

 強い高気圧のため工場からの排ガスが充満し深刻な大気汚染をもたらす危険性が気象庁から報告される。しかしチャーチルはただの霧だと言って事態を軽視。病院は有害物質によって体調不良を起こす患者であふれ、交通事故も多発しているにもかかわらず、チャーチルは国民を凍え死にさせるわけにはいかないと言って火力発電所の稼働を続けさせる。おまけに、よりによって内閣で一番の緊急事態として議題にあげたのが大気汚染ではなくエディンバラ公フィリップ殿下の飛行機操縦訓練。チャーチルを首相の座から引きずりおろしたい労働党は、この機とばかりに首相の不信任動議を提出。エリザベスもマウントバッテン卿から首相に辞任を要請するべきだと進言される。
 しかしチャーチルを慕う若い首相官邸スタッフが濃霧が原因による交通事故で命を落とし、チャーチルは直ちに事態の改善に全力を尽くす決意を表明する。マスコミがこれを賞賛する形の報道をしたことで、エリザベスは彼に引退を促すことをひとまず取りやめざるを得なくなる。

 

 太王太后の君主制に対する絶対的な考え方。君主制は神の御業、だから君主は国民ではなく神のために仕えるもの。君主は何も話さず意見も言うべきではない。国民は君主に笑顔を求めるが、そこで笑顔を見せればそれは自分の意見を表明するのと同じ。何もしないというのは最も難しい仕事だ。
 フィリップはそういう王家のあり方が原因で自分のとこの王家が崩壊したから、現代の君主制は政教分離であるべきだっていう考えだし(まともなことも言うんですね^^;)エリザベスも若いから同じような考えを持ってるけど、父親のジョージ6世がそうしてきたように自分も伝統としきたりを重んじたいっていう気持ちも強くある。でもやっぱり時代は変化していくもので、ジョージ6世のかつての側近も「先代国王はそうしてきたが、あなたはあなただ」とアドバイス。だからチャーチルに引退を進言するのもアリかなって気持ちになったのに、「神の御業」は今回はチャーチルに味方したようです。

 

 やることがなくて連日飛行機の操縦訓練に夢中のフィリップ。エリザベスからそれを聞いたチャーチルの「はぁ? あいつバカなの?」って言いたげな顔(笑) そして大気汚染について話し合うべき緊急閣議でその操縦訓練を最重要問題として持ち出してくるチャーチルに対する内閣メンバーの「はぁ? こいつバカなの?」 さらにそれを知ったエリザベスの「は? あいつバカかよ?」的な連鎖が面白かった(笑)

 

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The Crown #3 「ウィンザー家」

 ジョージ6世の葬儀のため、彼の兄であり元国王でもあったウィンザー公爵がイギリスに帰国する。彼は3度の離婚歴を持つ女性との結婚を反対されたため国王の座を退位し、王家に追い出される形で外国での暮らしを続けていた。

 

 マウントバッテン卿が自宅での夕食会の席で「マウントバッテンの名を冠した王家が誕生する」と言って祝杯をあげたことを知った太王太后メアリーは激怒。王家の名はウィンザーだと定められているため、内閣にエリザベスを説得するよう申し付けるが、エリザベスは夫の姓を名乗りバッキンガム宮殿ではなくクラレンス・ハウスに住み続けると頑に主張する。
 チャーチルはなむなくエリザベスの伯父であるウィンザー公に、年金の継続を条件に説得を依頼。彼の助言によってエリザベスはバッキンガム宮殿に居を移す決意をする。
 エリザベスはウィンザー公に「シャーリー・テンプル」ってあだなを付けられていたことに少々おかんむりの様子(笑) だけど父亡き今、君主としての経験のある伯父の助言は非常に貴重なもの。ただフィリップはやはり、妻が自分の姓を名乗らないことがどうしても不満。だけど女王の決断には従わざるを得ないわけで…^^;

 

 宮廷の嫌われ者で母親からもないがしろにされているウィンザー公。チャーチルは今まで彼の味方をしてきたけれど、それはあくまで国民がそう望んだからであって、実際は結構迷惑してる(苦笑) 愛する女性のために王位を捨てるというのは庶民からしてみれば美談のようだけど、実際は周囲に多大な迷惑をかける行為。
そんなワガママは夢と魔法の国でしか通用しないのです。

 

 エリザベスの妹マーガレット王女はピーター・タウンゼントの妻が家を出て行き離婚する運びになることを知ってホクホク。暇を持て余してるフィリップは航空術を学ぶとか言い出すし、16ヶ月後の戴冠式を迎えるまでにまだまだ女王の悩みは山積みのようです。

 

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The Crown #1,#2

 英国連邦の現役君主であるエリザベス女王2世の若かりし頃を描いたドラマ。今年度のBAFTAテレビ賞でドラマシリーズ部門の最優秀候補とされている作品です。

 

 イギリスの王女エリザベスとの結婚を控え、ギリシャとデンマークの王子フィリップはイギリスに帰化し、エディンバラ公爵となる。国中が祝福ムードに包まれる中、宮廷にも政府にもこの結婚を歓迎するものはひとりもいなかった。
 結婚したエリザベスとフィリップは二人の子供に恵まれ、夫の赴任先であるマルタで幸せな日々を送っていた。しかし父親である国王ジョージ6世が体調不良のため手術を受けるという連絡があり、一家は一時イギリスへ帰国することになる。
 片方の肺を摘出する手術を受けたジョージ6世は5週間後に公務に復帰。時を同じくして、選挙ではウィンストン・チャーチル率いる保守党が勝利し、チャーチルが再び首相の座に返り咲いた。しかし高齢である彼は政府はおろか内閣の大臣たちからも老害扱い。外務大臣のイーデンは国王に謁見し、チャーチルにそれとなく引退を促すよう国王に求めるが、そのような権限は持たないとして申し出を断られる。そこで国王はイーデンにこう話す「チャーチルはいずれ自ら身を引く。その時が来たら手腕をふるえばいい。準備不足のまま重責を担うと不幸になる」

 

 国王のカルテを手に入れたチャーチルは、彼がガンに冒されていることに気付く。そして国王自身も一向に回復しない自分の体調について主治医に訊ね、余命が数ヶ月かもって数年であることを知らされる。
 エリザベスは父の体調が回復したらフィリップのためにマルタに戻ることを望んでいたが、ジョージ6世は間もなく予定されている外遊を自分のかわりに任せたいとエリザベスに告げる。しかし彼女が最初の外遊先であるケニアに滞在中、国王崩御の知らせが首相官邸に飛び込んでくる。王女がニュースで父親の死を知ることだけは避けねばならないとしてチャーチルは報道規制を敷くが、BBCからしつこくせっつかれ、間もなく規制を解除せざるを得なくなる。
 ナイロビの総督府からの連絡で父親の死を知ったエリザベスは外遊を中止して帰国することになる。しかし国王崩御により女王という立場になったエリザベスとフィリップの周囲は一変。飛行機を降りる際にフィリップは彼女に寄り添うことも許されなかった。

 

 葬儀を前にエリザベスは祖母メアリーから手紙を受け取る。
「これから父だけでなく今までの自分にも別れを告げることになる。今まで公務と私生活の区別がつかずに駄目になった君主を何人も見てきた。あなたの中でも常にその戦いがあるだろうが、必ず王冠が勝たなくてはならない」
 女王となった孫のエリザベスにひざまずくメアリー。しかしベールの奥の眼は、君主という立場を忘れずに生きろと厳しく諭しているようだった。

 

以下、感想です。

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