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February 2020

February 06, 2020

ネトフリのトルコ関連作品2本

「ラスト・プロテクター」 (The Protector)

 面白いドラマがないかあれこれ予告編を見ていたら「オスマン帝国外伝」のイブラヒムことオカン・ヤラブクを発見して観ることにしたトルコのドラマ。なんとなくマーベル作品ちっくな雰囲気で絶対苦手ジャンルだなぁって思ったけど、見てみたらこれがオスマン帝国時代の歴史要素満載で、かなり楽しみながら観ています!

 イスタンブールに住む青年ハカンは、貧乏暮らしから抜け出すため親友ミモとともに新たな事業を立ち上げようと考えていた。しかし今まで何度も起業しては中途半端にやめていた彼は、バザールで小さな骨董屋を営む父親も資金援助を断られる始末。
 ある日、オスマン朝時代のタリスマンの胴着を探しているという女性スーザンが店に現れる。父はその胴着を見たことがないと言ったが、それと似たようなものが店の倉庫にあることを覚えていたハカンは、スーザンの依頼人が胴着に大金を払うこと知り、ミモとともに店から勝手に持ち出してしまう。
 胴着を持ち出したことを知った父親はそのスーザンとハカンたちの待ち合わせのカフェに向かうが、そこで銃撃事件が起こり、父親やスーザンも撃たれてしまう。車で病院へ向かおうとするハカンに父親は、ある薬局に行くよう言う。
 薬局の店主ケマルの処置も虚しく父親は亡くなってしまう。しかしハカンはケマルと彼の娘ゼイネプからある秘密を知らされる。イスタンブールには世界を崩壊させる「不死者」と、その不死者を倒せる「保護者」、そして保護者を守る「忠誠者」がいて、自分たちは忠誠者であり、ハカンこそがその保護者だというのだ。保護者のハカンがその胴着を着ると無敵になり、彼にはイスタンブールに残る最後の不死者を見つけ出す義務がある。

 ……なんてそんなこといきなり言われたって、お父さんを無くした直後でただでさえ混乱してるし、おまけに普通の人というかむしろ普通の人よりおバカさんなハカンがそんな話を受け入れられるわけもありません^^; だけど父親や親友ミモを殺されたことを知ったハカンは、正義感よりも復讐心で不死者に立ち向かうことを決心。人間に紛れて暮らしている不死者を見分けるのにはある指輪が必要で、ゼイネプとともにまずはその指輪探しから始めることに。

 不死者を追って様々な謎を解いていく過程でオスマン帝国時代の歴史が絡んできて、たとえばこの世の戦争や災害の原因はすべて不死者によって引き起こされるものだと気付いたのはあの”偉大なるメフメト2世”で、彼は夢の中で「不死者を倒す保護者が現れる」とこを知ったとか、そして指輪の石の在処はスレイマン1世の時代に活躍した建築家シナンと関わる場所にあるとか、スレイマニエ・モスクも登場するしで、ジャンル的に興味のないドラマだとしても「オスマン帝国外伝」のファンには実に楽しめる要素がたっぷり!
 そしてなんといってもイブラヒム(笑) 彼が演じるファイサル・エルデムはイスタンブール屈指の大企業ファイサル社の社長で、学歴もコネもなく実力だけでのし上がってきた人物。アヤ・ソフィアの修繕事業の入札にも積極的な姿勢を見せてて、オスマン帝国外伝のイブラヒムを知っている人からすれば、ついでにその奥の宮殿も全面修繕してハレム全体を一般公開してくれないかな、とか余計なことを考えてしまいます(笑) 「世界が人間ならイスタンブールは心臓だ」とかいかにもイブラヒムが言いそうだよね!
 何度もボコられておきながらくたばらないギュルシャーといい瀕死の状態で森に捨てられながらも自力で宮殿に戻ったハティジェといいブリっ子で生き延びてきたヒュッレムといい、イスタンブールは昔から不死者だらけということだけは知ってるので(笑)だったらイブラヒム(じゃなくてエルデム)に不死者になってもらわないとつまんないよね!って個人的には思うところだけど、彼の警備主任マスケルが裏で何やら今のところまだわからないなぁ。それにあの胴着、身体の中に吸収されるみたいになっちゃうけど、一応着脱してるみたいだし脱ぐ時どうやってるんだろ。それもまた謎です(笑)


「オスマン帝国 皇帝たちの夜明け」

 オスマン帝国外伝でもよく話に出てくる”偉大なるメフメト2世”が、東ローマ帝国の統治下だったコンスタンティノープルを制圧するまでの戦いをドラマ形式で描いた歴史検証番組。なんとまぁ、スンビュルが大宰相の役で出てるじゃないですか! ヒゲもじゃになってたけど声ですぐわかってしまった(笑) セリフが英語なのが残念だけど、そこは各国の言葉でいちいち字幕つけるのも大変だろうからまあ仕方ないとして。スレイマンや高官たちがよく”偉大なるメフメト2世”ってよく言ってるから、これは勉強のためも観ないわけにはいきません。
 父である皇帝ムラト2世の崩御をうけて、唯一の後継者であるメフメトは皇帝の座につくことになります。だけど彼は寂しい幼少時代を送ったせいか、自己顕示欲が強く負けず嫌いで、イェニチェリや高官たちの中には彼をよく思わない者もちらほら。イェニチェリたちから絶大な信頼を得ていたムスタファとは正反対ですね(すいません、ムスタファ推しなんで^^;)
 実は彼が皇帝の座に着いたのはこれが二度目。一度目はムラト2世が退位して隠居するからってメフメトに皇帝の座を譲ったんだけど、まだ子供だしワガママで無茶苦茶に振る舞うから「やっぱお前ダメ」って事実上クビみたいな形で引きずり降ろされたのでした。それにしても自分で辞める言ったくせに父ちゃんもあんまりだよな^^;
 そんでマニサで知事をやってる時に父ちゃんが死んで、メフメトはまた皇帝となったんだけど、過去に父ちゃんや高官たちから受けたイジメのような仕打ちを根に持っていたメフメトは、彼らを見返すべく(←絶対そうだ!)過去の皇帝たちが何度も挑戦して失敗に終わっていたコンスタンティノープル制圧に乗り出します。
 なんでも、「偉大な英雄がリンゴを手に入れる」って夢で見たんだってさ。スレイマンもそうだけどオスマン帝国の皇帝は夢で国の行く末を決めることが多すぎでしょ(笑) それでもオスマン帝国をイケイケな時代に導いたことを考えると、その夢もなかなかバカにはできないよね。
 全6話でまだ3話まで見終えたとこだけど、偉大なるメフメト2世(しつこい)の偉大さをしっかり学べたらと思います。

February 03, 2020

Life on Mars 韓国版リメイク

 この前、めずらしく新聞のテレビ欄を見ていたら、BSイレブンのところに「ライフ・オン・マーズ」とあるのを発見。もしかして再放送? いやひょっとして少し前にニュースになった北京版がもう放送されてる?
 気になってすぐさまBS11のサイトをチェックしてみたら、まさかの韓国版リメイク!!!!

知らなかったよ!!!!!!ウソ━━Σ(-`Д´-;)━━ン!!

 おそらくオリジナルLOMファンの方のほとんどは知らないと思われるが、さすがSpooksを日本で最初に放送してくれたBSイレブン、あなどれません…。
 全23話中すでに8話まで進行していたんだけど、オリジナルのファンとしてはたとえ途中からでもこれはチェックしないわけにいかん!というわけで8〜13話まで視聴しました。実を言うと韓国ドラマを観るのは「チャングムの誓い」以来です(笑)

 主人公のテジュが過去に飛ばされ、この世界は一体何?って基本は同じなので、全体的な感想を。
 まずはそれぞれのキャラクター。ジーンに相当するボスの係長(名前わからん)、いい人です(笑)
 オリジナル版ではジーンと言ったらそりゃ粗暴なブタ野郎で、そこが愛すべき部分だったわけですが(笑)こっちの係長も多少の荒っぽさとかはありつつ、人情味のあるキャラクターって感じ。レイとクリスもこれまた地味。サム(じゃなくてテジュ)はちょっと暗いし^^; アニーに当たるユン巡査も可愛いけどおとなし目のキャラで、アニーみたいなハキハキ感は無い。オリジナルはそれぞれキャラクターが強烈なところが面白かったけど、韓国版はボンワリしつつもチームがなんとなくまとまってるところがなかなかいい感じ。

 さてストーリーはといえば、ほぼ完全コピーに近いアメリカ版(どうせならラストも完全コピーしてほしかったですね)と違い、オリジナルのエピソードを少しアレンジして描かれてます。オリジナルに比べると主人公のテジュが自分の家族や幼い頃の自分と関わる部分がすごく多いのもリメイク版独自の展開です。
 舞台はなぜか1973年ではなく1988年。ボウイのLife on Mars全然関係ないじゃん…と突っ込みたくなるけど、テジュの年齢考えるとその年代になるのは当然だし、最終話までには何かしら関連付けてくるのかな。ちなみに'73年は私にとって未知の世界ですが、当時のイギリスより'88年の韓国の方がもっと未知の世界(笑) ただソン・ドンヨルの名前が出てきた時はさすがにオオ〜!ってなったヾ(*ΦωΦ)ノ  子供時代のテジュが彼の大ファンで、そのサインボールがテジュがこの世界に来た理由を知るための鍵にもなってるっていうのは、野球ファンとしてはちょっと嬉しかったなぁ^^ ソン・ドンヨルって日本に来る前からスーパースターだったんだね(あたりまえ)
 細かい部分だと、韓国版では赤い服の女性が白い服になっていたり、オリジナルで「お前の直感もたまには役に立つ」ってジーンのセリフがこっちでは別のシーンで「こいつのカンはたまに当たるんだ」って使われてたり、そしてオリジナルでは「事件解決! パブだパブだー!」ってなるところが、韓国版だとけっこう重い結末になってたりもして、細かいポイントを押さえながら上手にリメイクしてくれてるなぁって印象。
 さて13話はちょうどオリジナルのシリーズ1最終話に該当するエピソード。サムの頭の中で時々見える「森の中で赤い服の女性が襲われる」記憶が現実となって、父親が姿を消した理由が明らかになるわけですね。これも結末はオリジナルと違ってます。そして東アジアならではの竹林の映像が美しかった^^

 全体的には当然オリジナルの面白さの足元にも及ばないんだけど、でも

悔しいけど結構好きかも゚+.(・∀・).+゚

 オリジナルのストーリーを踏まえつつ、韓国版独自の展開でどこまでいい作品に仕上げてくれるのか。期待しながら最終話まで観ていきたいと思います!

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