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December 26, 2019

赤いイスタンブール

「オスマン帝国外伝」でスレイマン皇帝と皇子ムスタファを演じたハリット・エルゲンチュとメフメト・ギュンスル出演のトルコ映画。Netflixで配信されているのを視聴しました。

 ロンドン在住の小説家オルハンは、映画監督で旧友のデニスに本の執筆を依頼されイスタンブールに帰ってくる。
 デニスは自分の知人をモデルにして作品に登場させることで知られており、ボスポラス海峡沿いにあるデニスの実家に滞在することになったオルハンは、デニスを通じイスタンブールでそのモデルになった人物たちと交流していく。
 デニスと酒を飲み酔ってテラスで寝てしまったオルハンは、夜中にふと目が覚めた時にデニスが男と話している姿を目にする。そしてその翌朝、デニスは忽然と姿を消してしまった。
 オルハンはデニスの友人ネヴァルとともに彼の行方を探すも、仕事場として使っていた家にも彼が来た様子はない。捜索届けが出され聴取のため警察に呼ばれたオルハンは、デニスが姿を消した夜に彼と話していた男を警察署で見かけ、その後を追っていく。

以下ネタバレあり

 デニスの行方を探すオルハンが、デニスの周囲の人物と関わり、その彼らの姿や心情を描いた作品。それにしては掘り下げ方がいまいちに感じたのは、脚本自体がそうなのか、トルコ語がわからず字幕頼みの私のせいなのか、人間関係などは見ているこちらが雰囲気から汲み取っていくしかなくてわかりにくかった。デニスの実家に住んでいる人たちが親戚なのか、家賃を払って食事付きで住んでる住人なのかもよくわからなかったし、かれらが家を出ていくことになった理由もまったくわからず……そういった点まできちんと描かれていたらきっと素晴らしい作品なんだろうなと思う。原作が読めれば一番いいんですけどね…^^;

 ただオスマン帝国外伝ファンとしての目線で見れば、ストーリーは置いといていろんな面で楽しめる作品です。海峡の向こうに見えるトプカプ宮殿を目にした時点で感慨深いものがあるし(笑)
 ハリット・エルゲンチュはスレイマン皇帝と完全に別人! 話し方も違うし完全に普通のトルコ人のおじさんでした(←褒めてます)
 彼が演じるオルハンは酒のせいで息子を車内に取り残し死なせてしまった過去があって、彼が断酒してたのはそれが原因なんだけど、イスタンブールのパーティーでつい酒に手を伸ばしてしまったのはノリなのか、それとも何か思うところがあってなのか、そういったところをもう少し丁寧に描いて欲しかったのが脚本的に残念な点。
 ムスタファことメフメト・ギュンスルはデニスと最後に話していた男ユスフを演じています。彼はたぶんデニスの恋人だったみたいなんだけど、長髪でヨタヨタ歩いててくたびれて瀕死のジョニー・デップみたいな風貌だし、こいつ絶対ヤクやってんなと思ったら本当にやってるし^^; デニスを失った悲しみや痛みを見事に表現していたと思います。
 二人ともオスマン帝国外伝と役柄は正反対とはいえ、オルハンとユスフが港のベンチで並んでフィッシュサンド食ってるシーンは、やっぱりスレイマン&ムスタファと重ねて見ちゃう(笑)
 そして二人が目当てで見た映画だけど、ムスタファがマニサで恋した村の娘ヘレナがスルタンって名前で登場してたりと、宦官長スンビュルがネヴァルの夫役で出ていて、オネエっぽいスンビュルと正反対のマッチョで優しいダンナを演じる姿を見れるという嬉しいオマケまで付いてきました😃

 ひとつの映画作品としては全体的に掘り下げ方が不十分でイマイチ感がありますが、オスマン帝国外伝ファンの方にはキャストの違う役柄を見ることができるという点で楽しめる作品だと思います!

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