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November 19, 2019

The Crown S3-#3 「悲劇の波紋」

 ウェールズの炭鉱の村アバーファンで、前日の豪雨により炭鉱のボタ山が崩落する事故が発生。ふもとの小学校や民家がその土砂に巻き込まれ、多くの犠牲者が出た。
 すぐさま現場に駆けつけた首相のウィエルソンはその惨状をエリザベスに報告し、遺族の慰めにアバーファンを訪れるよう伝える。しかし独自に現地を訪れたトニーや追悼会に出席したフィリップと違い、エリザベスは「君主は災害現場には行かない」と頑なに訪問を拒否し続けた。
 崩落したボタ山は規定の6倍の高さにまで造成され、しかも下に湧き水があることもあって、住民からは数年前からその危険性が指摘されていた。今回の事故はその警告を無視し続けた石炭庁に責任があるとして住民たちは政治に怒りの声をぶつける。ボタ山の造成が許可されたのは保守党政権下でのことだったが、大きな政治問題に発展することを避けたい労働党政府は、人々の怒りの矛先を逸らすため「現場を訪れていないのは女王だけ」という新聞記事を出すことを許可する。
 これを聞いたエリザベスはようやく現地の訪問を決定。しかし現場を目にし遺族と面会した彼女は感情を表に出すことなく無表情のままだった。

 訪問後、「やり方が汚い」とウィルソンに怒りをぶつけるエリザベス。でも新聞社の件は一部の閣僚が勝手にやったことだったらしい。
 エリザベスが訪問を拒否し続けたのって、「君主は感情を出すべきではない」っていう言いつけを守り続け、でも現場に行ったらそれが守れなくなるかもっていう不安があるからなんだと思ってた。だから機中で「ここはイングランドではなくウェールズだから、感情を表に出してください」って言われた時に「もっと早く言えよ」って思ったんじゃないかなって思ったんだけど(笑)実際はその反対で、悲しい時も喜びの時も涙を流したことがない自分の無感情さが人々に伝わってしまうことを恐れてたんですね。
 そんな自分は何か変なんじゃないか、というエリザベスにウィルソンは「無感情は君主に必要な天武の才。だが人から好かれるためには演技することも必要だ」とアドバイスします。ウィルソン自身も本来はエリートでインテリで高級志向だけど、労働党の党首として人々から支持を得るためにはそんな自分を隠し、人々の前では皆から望まれる姿を演じてきたわけだ。チャーチルや前の首相たちと違って役立たず、みたいに言われたけど、ウィルソンのこのアドバイスが今後のエリザベスの公務に良い影響となっていくのかもしれません。
 しかし無感情という割には、若い頃フィリップと喧嘩してテニスのラケット投げたりしてたよね(笑)

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