The Crown S3-#5 「クーデター」
海外の競走馬が今や王室の馬の実力を超えていることに気付いたエリザベスは、休暇を取り旧友のポーチーとともにフランスやアメリカの競走馬育成施設を見学する旅に出る。
一方、イギリスは1億700万ポンドもの貿易赤字を抱え、ついに労働党支持のデイリー・ミラー紙までもがウィルソン政権を批判する記事を掲載するようになる。内閣はこれ以上の批判を避けるため、ウィルソンの公約である防衛費削減を拒否し続けている国防参謀総長のマウントバッテン卿を解任。そしてついにポンドの切り下げという苦渋の決断をすることになる。
これに腹を立てたデイリー・ミラーの会長キングは、かつて戦争を戦い抜いてきた有力者との昼食会にマウントバッテン卿を招待し、ウィルソン政権を倒して非常事態政府を発足させて彼をその指導者の座に据る計画を話す。マウントバッテン卿はクーデターに加担する気は無いと一度は話を断るものの、これは民主主義に対する宣戦布告だという皆の説得に、回答を保留することにする。
その2日後、過去に世界中で起きたクーデターとその成功例や失敗について徹底的に調べ上げた彼は再びキングらと会い、法律や憲法が絶対である現在のイギリスではクーデターを起こしても成功の見込みはないことを説明し、ただし君主であるエリザベスの支持を得れば成功もあり得ると語る。
エリザベスがそんな話オッケーするわけなかろうに(苦笑)
マウントバッテン卿ももちろんそれはわかってたと思うよね。だけどずっと誇りを持って努めてきたポストを「あんたはもう時代遅れ」って追い払われ、やること無くなって心にポカーンと穴が開いたところに「あなたが必要なんです」なんて言われたもんだから、おじさんちょっと夢見たくなっちゃったのかな。
夢といえばエリザベスも、優秀な競走馬を育てるために様々な研究をしている人たちと過ごし、ポーチーと穏やかな時間の中で食事を楽しんでいるうちに、これが自分が本来歩みたかった人生だったことを思い出します。そもそも彼女は生まれた時から女王になると決まってたわけじゃないし、アメリカ女と一緒になるために責任放っぽり出した伯父さんのとばっちり(だよね?)で今の人生が決まっちゃったわけだから、この旅を続けられたらと内心願っても無理はないこと。
だけど国がとんでもないことになってると知ったらトンボ返りするところは、やはり責務というものをちゃんとわかってらっしゃる。でもディナーのステーキ、一口も食べてなくて勿体ない…と思ってしまうのはやはり私が貧乏症だからですね(笑)
キングたちがマウントバッテン卿を説得する際、為替操作や防衛費削減や海外の口座凍結やらで「もはや平時とはいえない」と言ってたけど、日本もある意味ここ何年か平時とは言えんわな^^; それでも今回のエピソードでは市民の抗議行動の様子やマスコミによる政権批判がヒートアップしてたけど、それに比べて、何かまずいことがあると芸能人を逮捕したり結婚発表させたりして目を逸らそうとする作戦にまんまと乗ってしまう日本のマスコミの何と情けないことか。
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