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March 13, 2018

The Handmaid's Tale (ハンドメイズ・テイル/侍女の物語)1〜4話

 イギリスの板で話題になっていたのを目にしてからなんとなく気になっていて(アメリカのドラマだけど)、主演のエリザベス・モスは現在AXNミステリーで放送している「Top of the Lake」でもお馴染みの顔なので、いずれ観てみたいと思っていたら日本のHuluでも配信開始されました。これから毎週1話ずつ配信されていくようで、一気見よりもじっくり楽しみたい派の私としては実にありがたい。

 保守派による革命の末、アメリカという国家はほぼ崩壊し、神の教えに基づいたギレアドという国家が新たに誕生。わずかに残りいまだ戦っているかつてのアメリカ軍も今では反乱軍と呼ばれ、人々は厳しい監視態勢の元、かつての自由を完全に奪われた中での生活を強いられていた。
 アメリカ時代の環境汚染によって不妊や流産、新生児の死亡は深刻な問題となっており、新国家ギレアドでは妊娠が可能な(出産経験のある)女性は地位の高い人物の子供を産む「侍女」とするため強制的に国家に連行されていた。
 国連の仕事をしているフレッド・ウォーターフォードとその妻セリーナの元に仕えることになったオブフレッドもまた、そうして侍女になった女性の一人だ。逃亡防止用のチップを付けられ、外出時にはパートナーと呼ばれる別の侍女と必ず行動を共にしなくてはならない。友達を作るためという名目上、女中の使いとして買い物に出ることが許されているものの、そうしてお互いを監視し合う仕組みだ。軽はずみなことを口にすれば即座に連行されるため、パートナーといえども自分の心を悟られるような会話は一切できない。しかしある日オブフレッドは、敬虔な信徒だとばかり思っていたパートナーのオブグレンが、自分と同じようにかつての人生を振り返る普通の女性だということに気付く。

 オブフレッドはある晩ウォーターフォードに書斎に来るよう呼び出される。侍女はいかなる場合でも自分が仕える司令官と二人きりになることは許されないため、オブフレッドは何かの罠ではと警戒するが、彼の申し出は一緒にスクラブルのゲームをしてほしいというものだった。
 出張から戻ったらまた再試合をしようという約束に、自由の無い生活の中に小さな楽しみを見つけたオブフレッドはそれをオブグレンに話そうとするが、彼女の前に表れたのは以前とは別人のオブグレン。前のオブグレンは女中と関係を持った罪で捕えられていた。

 オブフレッドの生理が遅れていることに気付いた女中のリタ。彼女が妊娠している可能性があると知り、セリーナはオブフレッドの体調を気遣い彼女を大切に扱うようになる。しかし妊娠していなかったことがわかると態度が一変し、激高したセリーナは彼女を部屋に閉じ込めるよう命令する。
 何日も自室に閉じこもったままのオブフレッドは、自室のクローゼットに彫られたラテン語のメッセージを見つける。おそらく自分の前にいた侍女が次の侍女に向けて彫ったものなのだろう。
 約束していたスクラブルの再試合の際、オブフレッドが思い切って以前の侍女のことをウォーターフォード尋ねてみる。前の侍女は部屋で首を吊って死んだらしく、オブフレッドにはそうなってほしくないと彼は言う。オブフレッドをスクラブルに誘ったのも彼女に息抜きを与えるためだったのかもしれない。彼の書斎にラテン語の辞書があることに気付いたオブフレッドは、前の侍女が残したメッセージが「かれらに虐げられるな」という言葉だということを知る。つらい状況下で生きているのは自分一人ではない。娘と再会するという目的のため、オブフレッドは何があろうとこの世を生き抜く決意をする。

以下、感想など

 オブフレッドって古風な名前なのかと思ってたけど、英語表記で見たら「Offred」つまり司令官フレッドのものって意味で、そもそも名前でもなんでもなく「○○さんの犬」っていうのとかわらないじゃないか(だから侍女の呼び名はみんなオブがついてる) 女中だって自分の名前があるし、○○さんの犬だって名前を知らないからそう呼んでるだけだけど、侍女はあくまで子供を産むための「所有物」だからそもそも名前なんか必要ないわけだ…。
 でも出産できる女性は希少だから、罪を犯しても処刑されることは無いんだよね。それって自分の意志を貫いて処刑されるのと、本当の自分を殺してただ生きてるだけなのと、どっちが苦痛なんだろう。
 だけど厳しい監視態勢が敷かれた社会からの脱走を試みるものもいれば、自分を貫いて処刑される者もいる中で、オブフレッドのように生き抜くために自分の心をひた隠しにしていく者もいて、それはけして体制側に対する敗北を意味するものではないということを彼女は教えてくれる。
 どこで誰が自分を監視しているのかわからない日々において、本音で語れば即連行される恐怖。そんな中でも、上っ面の会話の中に互いにしかわからないジョークを隠して心の中で笑い合う。規制がある方が芸術家の創造力が試されるというが、この社会を生き抜くにはまさにそういった創造力も必要となってくる(だからってこういう社会が良いとは思わんが)
 不満を持っているのは自分一人ではない。それが彼女の「娘に会うため絶対に生き抜く」という気持ちの糧になっているし、そんな心の火を表すかのように、暗い設定と反対に音楽はロックだ。

 こういう設定だとイジワルな嫁として描かれがちなセリーナだけど、彼女の苦悩もきちんと描かれているよね。もちろん直接的に語られるわけじゃなくて、「彼は私の夫だということを忘れないで」というのは万が一侍女が自分の夫に夢中になってしまったらという不安の表れだと思うし、ドレッサーの部屋一面に飾られたウェディング人形とか見ると、結婚して幸せな家庭を築くことを夢見ていた女性だったんだろうな〜って思う。なのに自分で子供を産めないのは彼女にとって本当に辛いことだろうし、そのうえ夫は仕事仕事でいつも不在がちで、夢が壊されたと思ってオブフレッドに辛く当たったのも仕方ないのかなって感じるよね。
 前の侍女のように自殺してほしくないからってオブフレッドを気遣う司令官も、実はこの体制に納得して生きているわけじゃなかったりして?

 個人的には、オブフレッドがどうやってこの世の中を生き抜いて娘と再会するかってことより、自由が制限された社会で個人の心の内がどのように垣間見えていくのかという点が非常に面白いドラマだと思います。全10話、これからの展開が楽しみです。

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