The Crown #8 「誇りと喜び」
エリザベスとフィリップがオーストラリアへ外遊中、妹のマーガレットが女王の代理で国内の公務を任されることになる。自分の個性を出したいと考えたマーガレットはマーティンが書いた「いかにも女王が言いそうな」スピーチに変更を加えたいと言い出すが、マーティンは女王の代理でスピーチをするのだからこれでいいと言う。ところがいざ本番でマーガレットは彼の原稿を無視、持ち前のユーモアのセンスで来客たちを和ませ、訪問先では離ればなれのピーターに会いたいという気持ちを率直に口に出し、彼女の言動はマスコミの格好のネタとなる。
オーストラリアを訪問中のエリザベスとフィリップは、炎天下の2時間に及ぶパレードに加え、50以上の街を訪問するという過密スケジュールをこなしていた。しかしエリザベスは出発前にチャーチルに釘を刺されたこともあり、素の自分を出すまいとして笑顔を作り続け、ついには顔の筋肉に注射(ボトックスかな?)までしてもらうことに…。
心身ともに疲弊している二人はついにストレスが爆発し、滞在先で大喧嘩。エリザベスがフィリップにテニスのラケットを投げつけるところをしっかりマスコミに撮られてしまいました(笑) だけどその直後にエリザベスが彼らに対して毅然とした態度を見せたことで、マスコミは撮影したフィルムをエリザベスに渡すことにします。
ジョージ6世の死の悲しみからいまだに立ち直れずにいる王太后は、公務を休んでスコットランドの知人の元でしばらく静養することにする。彼らのすすめもあって、近くにある古い屋敷を買い取って移り住むことを考え始めます。
帰国したエリザベスはマーガレットに、失礼な振舞いをした相手に対して謝罪するよう彼女に伝える。愛する相手と結婚していつも脚光を浴びている姉を羨む妹と、自分の思ったことを口に出し自由に振舞う妹を羨む姉。時代や階級は違っても、同性の兄弟姉妹というのはお互い常にこうした気持ちを持っているものなのでしょう。(私には弟しかいないからわからんが^^;)
このエピソードを見ていて思い出したのが元横綱の朝青龍(笑)
相撲とは単なるスポーツではなく神に捧げるものだから横綱はそれに相応しい振舞いをしなければならない、これは神に仕え人々を率いるという君主のそれにも通じるものがあるのではないでしょうか。神に近い存在であるためには人間としての本来を自分を見せてはならない。これは伝統を守り受け継いでいくためには絶対に必要なことで、周囲が「自分を出すな」とことあるごとに釘を刺すのも当たり前のことなんだけど、マーガレット王女や朝青龍のように自分らしく振舞い感情を素直に表すところにこそ大衆は魅了されてやまないというのもまた事実なのだ。
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