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May 17, 2017

The Crown #8 「誇りと喜び」

 エリザベスとフィリップがオーストラリアへ外遊中、妹のマーガレットが女王の代理で国内の公務を任されることになる。自分の個性を出したいと考えたマーガレットはマーティンが書いた「いかにも女王が言いそうな」スピーチに変更を加えたいと言い出すが、マーティンは女王の代理でスピーチをするのだからこれでいいと言う。ところがいざ本番でマーガレットは彼の原稿を無視、持ち前のユーモアのセンスで来客たちを和ませ、訪問先では離ればなれのピーターに会いたいという気持ちを率直に口に出し、彼女の言動はマスコミの格好のネタとなる。

 オーストラリアを訪問中のエリザベスとフィリップは、炎天下の2時間に及ぶパレードに加え、50以上の街を訪問するという過密スケジュールをこなしていた。しかしエリザベスは出発前にチャーチルに釘を刺されたこともあり、素の自分を出すまいとして笑顔を作り続け、ついには顔の筋肉に注射(ボトックスかな?)までしてもらうことに…。
 心身ともに疲弊している二人はついにストレスが爆発し、滞在先で大喧嘩。エリザベスがフィリップにテニスのラケットを投げつけるところをしっかりマスコミに撮られてしまいました(笑) だけどその直後にエリザベスが彼らに対して毅然とした態度を見せたことで、マスコミは撮影したフィルムをエリザベスに渡すことにします。

 ジョージ6世の死の悲しみからいまだに立ち直れずにいる王太后は、公務を休んでスコットランドの知人の元でしばらく静養することにする。彼らのすすめもあって、近くにある古い屋敷を買い取って移り住むことを考え始めます。

 帰国したエリザベスはマーガレットに、失礼な振舞いをした相手に対して謝罪するよう彼女に伝える。愛する相手と結婚していつも脚光を浴びている姉を羨む妹と、自分の思ったことを口に出し自由に振舞う妹を羨む姉。時代や階級は違っても、同性の兄弟姉妹というのはお互い常にこうした気持ちを持っているものなのでしょう。(私には弟しかいないからわからんが^^;)

 このエピソードを見ていて思い出したのが元横綱の朝青龍(笑)
 相撲とは単なるスポーツではなく神に捧げるものだから横綱はそれに相応しい振舞いをしなければならない、これは神に仕え人々を率いるという君主のそれにも通じるものがあるのではないでしょうか。神に近い存在であるためには人間としての本来を自分を見せてはならない。これは伝統を守り受け継いでいくためには絶対に必要なことで、周囲が「自分を出すな」とことあるごとに釘を刺すのも当たり前のことなんだけど、マーガレット王女や朝青龍のように自分らしく振舞い感情を素直に表すところにこそ大衆は魅了されてやまないというのもまた事実なのだ。

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May 12, 2017

The Crown #4 「神の御業」

 強い高気圧のため工場からの排ガスが充満し深刻な大気汚染をもたらす危険性が気象庁から報告される。しかしチャーチルはただの霧だと言って事態を軽視。病院は有害物質によって体調不良を起こす患者であふれ、交通事故も多発しているにもかかわらず、チャーチルは国民を凍え死にさせるわけにはいかないと言って火力発電所の稼働を続けさせる。おまけに、よりによって内閣で一番の緊急事態として議題にあげたのが大気汚染ではなくエディンバラ公フィリップ殿下の飛行機操縦訓練。チャーチルを首相の座から引きずりおろしたい労働党は、この機とばかりに首相の不信任動議を提出。エリザベスもマウントバッテン卿から首相に辞任を要請するべきだと進言される。
 しかしチャーチルを慕う若い首相官邸スタッフが濃霧が原因による交通事故で命を落とし、チャーチルは直ちに事態の改善に全力を尽くす決意を表明する。マスコミがこれを賞賛する形の報道をしたことで、エリザベスは彼に引退を促すことをひとまず取りやめざるを得なくなる。

 太王太后の君主制に対する絶対的な考え方。君主制は神の御業、だから君主は国民ではなく神のために仕えるもの。君主は何も話さず意見も言うべきではない。国民は君主に笑顔を求めるが、そこで笑顔を見せればそれは自分の意見を表明するのと同じ。何もしないというのは最も難しい仕事だ。
 フィリップはそういう王家のあり方が原因で自分のとこの王家が崩壊したから、現代の君主制は政教分離であるべきだっていう考えだし(まともなことも言うんですね^^;)エリザベスも若いから同じような考えを持ってるけど、父親のジョージ6世がそうしてきたように自分も伝統としきたりを重んじたいっていう気持ちも強くある。でもやっぱり時代は変化していくもので、ジョージ6世のかつての側近も「先代国王はそうしてきたが、あなたはあなただ」とアドバイス。だからチャーチルに引退を進言するのもアリかなって気持ちになったのに、「神の御業」は今回はチャーチルに味方したようです。

 やることがなくて連日飛行機の操縦訓練に夢中のフィリップ。エリザベスからそれを聞いたチャーチルの「はぁ? あいつバカなの?」って言いたげな顔(笑) そして大気汚染について話し合うべき緊急閣議でその操縦訓練を最重要問題として持ち出してくるチャーチルに対する内閣メンバーの「はぁ? こいつバカなの?」 さらにそれを知ったエリザベスの「は? あいつバカかよ?」的な連鎖が面白かった(笑)

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May 11, 2017

The Crown #3 「ウィンザー家」

 ジョージ6世の葬儀のため、彼の兄であり元国王でもあったウィンザー公爵がイギリスに帰国する。彼は3度の離婚歴を持つ女性との結婚を反対されたため国王の座を退位し、王家に追い出される形で外国での暮らしを続けていた。

 マウントバッテン卿が自宅での夕食会の席で「マウントバッテンの名を冠した王家が誕生する」と言って祝杯をあげたことを知った太王太后メアリーは激怒。王家の名はウィンザーだと定められているため、内閣にエリザベスを説得するよう申し付けるが、エリザベスは夫の姓を名乗りバッキンガム宮殿ではなくクラレンス・ハウスに住み続けると頑に主張する。
 チャーチルはなむなくエリザベスの伯父であるウィンザー公に、年金の継続を条件に説得を依頼。彼の助言によってエリザベスはバッキンガム宮殿に居を移す決意をする。
 エリザベスはウィンザー公に「シャーリー・テンプル」ってあだなを付けられていたことに少々おかんむりの様子(笑) だけど父亡き今、君主としての経験のある伯父の助言は非常に貴重なもの。ただフィリップはやはり、妻が自分の姓を名乗らないことがどうしても不満。だけど女王の決断には従わざるを得ないわけで…^^;

 宮廷の嫌われ者で母親からもないがしろにされているウィンザー公。チャーチルは今まで彼の味方をしてきたけれど、それはあくまで国民がそう望んだからであって、実際は結構迷惑してる(苦笑) 愛する女性のために王位を捨てるというのは庶民からしてみれば美談のようだけど、実際は周囲に多大な迷惑をかける行為。
そんなワガママは夢と魔法の国でしか通用しないのです。

 エリザベスの妹マーガレット王女はピーター・タウンゼントの妻が家を出て行き離婚する運びになることを知ってホクホク。暇を持て余してるフィリップは航空術を学ぶとか言い出すし、16ヶ月後の戴冠式を迎えるまでにまだまだ女王の悩みは山積みのようです。

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May 09, 2017

The Crown #1,#2

 英国連邦の現役君主であるエリザベス女王2世の若かりし頃を描いたドラマ。今年度のBAFTAテレビ賞でドラマシリーズ部門の最優秀候補とされている作品です。

 イギリスの王女エリザベスとの結婚を控え、ギリシャとデンマークの王子フィリップはイギリスに帰化し、エディンバラ公爵となる。国中が祝福ムードに包まれる中、宮廷にも政府にもこの結婚を歓迎するものはひとりもいなかった。
 結婚したエリザベスとフィリップは二人の子供に恵まれ、夫の赴任先であるマルタで幸せな日々を送っていた。しかし父親である国王ジョージ6世が体調不良のため手術を受けるという連絡があり、一家は一時イギリスへ帰国することになる。
 片方の肺を摘出する手術を受けたジョージ6世は5週間後に公務に復帰。時を同じくして、選挙ではウィンストン・チャーチル率いる保守党が勝利し、チャーチルが再び首相の座に返り咲いた。しかし高齢である彼は政府はおろか内閣の大臣たちからも老害扱い。外務大臣のイーデンは国王に謁見し、チャーチルにそれとなく引退を促すよう国王に求めるが、そのような権限は持たないとして申し出を断られる。そこで国王はイーデンにこう話す「チャーチルはいずれ自ら身を引く。その時が来たら手腕をふるえばいい。準備不足のまま重責を担うと不幸になる」

 国王のカルテを手に入れたチャーチルは、彼がガンに冒されていることに気付く。そして国王自身も一向に回復しない自分の体調について主治医に訊ね、余命が数ヶ月かもって数年であることを知らされる。
 エリザベスは父の体調が回復したらフィリップのためにマルタに戻ることを望んでいたが、ジョージ6世は間もなく予定されている外遊を自分のかわりに任せたいとエリザベスに告げる。しかし彼女が最初の外遊先であるケニアに滞在中、国王崩御の知らせが首相官邸に飛び込んでくる。王女がニュースで父親の死を知ることだけは避けねばならないとしてチャーチルは報道規制を敷くが、BBCからしつこくせっつかれ、間もなく規制を解除せざるを得なくなる。
 ナイロビの総督府からの連絡で父親の死を知ったエリザベスは外遊を中止して帰国することになる。しかし国王崩御により女王という立場になったエリザベスとフィリップの周囲は一変。飛行機を降りる際にフィリップは彼女に寄り添うことも許されなかった。

 葬儀を前にエリザベスは祖母メアリーから手紙を受け取る。
「これから父だけでなく今までの自分にも別れを告げることになる。今まで公務と私生活の区別がつかずに駄目になった君主を何人も見てきた。あなたの中でも常にその戦いがあるだろうが、必ず王冠が勝たなくてはならない」
 女王となった孫のエリザベスにひざまずくメアリー。しかしベールの奥の眼は、君主という立場を忘れずに生きろと厳しく諭しているようだった。

以下、感想です。

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